坊ちゃん

7月1、2日。
女3人、温泉旅行。
梅雨空の中出掛けたにも関わらず、
フェリーで四国に着くと、晴れていた。


三津浜港で拾ったタクシーの運転手さんに、
子規について教えてもらったのに、
名字を「正岡」ではなく「松岡」と間違えてしまったほど
無知なまま、愛媛にやってきた。
これが今では、正岡子規は16歳で東京の叔父を訪ねて
文学の勉強をするため、中学を中退して愛媛を旅立ち、
23歳で喀血し、脊椎カリエスと戦いながら
写実論を説きつつ、俳句の世界を深めていった
バイタリティ溢れた人物だったということを知った。


ま、そうは言っても、
やはり人々に親しまれやすい、「坊ちゃん」の舞台としての
知名度が格段高く、それをうまく?売り込んでいる土地だった。
何しろ、坊ちゃんがいっぱいいた。
一緒に写真を撮ったり、町で挨拶されたり
ホテルにいたりしたのは、みんな坊ちゃんだったのだから。
触発されて、坊ちゃん文庫本を購入。
今度行くときまでには、読んでおきたいものだ。


愛媛は、松山は、鯛と釜飯が名物なのだろうか。
昼に入った、釜飯屋さんはとても美味しく、鯛のお刺身やら
茶碗蒸しやら、お味噌汁までついて950円という破格だった。


そして、夜に旅館で出てきたのも
鯛のお刺身に釜飯、茶碗蒸しあり、というランチのおさらいから始まった。
もちろん、それだけではなく、鯛の煮付け(これがイチバンおいしかった)
あわびの網焼きとか、小ぶりなロブスターが入った鍋に、豚の角煮(!)
天ぷら、様々な前菜、おしるこ、デザートなどなどなど。
「一週間分の料理を食べてるね」と言いながら、くまなく堪能。


そして、3人が最も印象的だと口を揃えて言うのが
松山城
特に、お城マニアというわけでもなく、おそらくただ見て回っただけなら
「ふ〜ん」程度だったろうに、
そこは、なんというかプロ意識の高いお城だった。
残念ながら、天守閣は40年ぶりの改修工事だったが、
たぶんそのおかげだからこそ、私たちの心に火がついたんだと思う。
何気なく上映されていた、40年前の改修工事VTRに見事はまってしまった。
多くの職人さんたちによる、屋根の修復。
一見、泥臭く汚い仕事なんだけれど、一つ一つの作業に無駄はなく
職人仕事の軽やかなこと!予定よりも半年早く仕上がったなんて、
どんな予定立ててんだ、というのもあるけれど職人さんたちの賜物でしょう。
ほとんど白黒で、テンポもおかしなVTRに魅せられた後は、


これまた何気なく飾ってあった、日本全国のお城の写真フリップに興奮してしまった。
以前訪れた、熊本城に松本城小田原城とかも
今行けば、また違った角度で(殊更、屋根に注目)楽しめたと思う。
また、明治初期頃の海兵少尉?の格好をしたガイドのおじ様に
松山城の成り立ちと、代々の城主と松山藩について教えていただいた。
どんな時代でも、スキャンダルとか社会への過度な気遣いが
家族を崩壊させるってことがあるのだと思った。


日ごろは忙しくて、あんまり会えない友達だけれど
唯一(二?)の同士である、二人とじっくり話しこめたのもとても嬉しかった。
選んだわけではなく、たまたま一緒に山口へやって来たという二人が
この二人で、本当によかった。
どんな道を歩いてきたとしても、やはり似た者同士だったんだと再認識した。


ま、そんな訳でここに書くには沢山すぎるくらいの
充実した旅行だった。年を経るにつれて、旅が充実したものになっている気がする。
そして、
私の晴れ女っぷりも、グレードアップしてる気がする。


ほんと、いい週末だった。